第4回 ウディタコンテスト 全作品レビュー

はじめに:

silversecond.com にて開催された、第4回 ウディタコンテストの作品レビューをお届けします。
今回は辞退作品が2作品あったものの、総勢72作品という大ボリュームでした。
全ての作品に均等な時間配分を……とはなかなかうまくいかず、また作品によっては序盤で諦めてしまうケースもありました。
しかしながら、どの作品とも極力全力で向き合って、楽しくプレイさせていただきました。

レビューの中には、「ここをこうした方がいい」なんて上から目線の内容も多く含まれています。
製作者サイドとしては当然ながら既に検討済の内容である事が多分に多いと思いますので、さっくりスルーしてやってください。

各作品には、極力プレイングデータを記載しました。
クリア時間及びプレイ時間は、その作品をクリアした(遊んだ)時間です。 基本的にゲーム内時間で記録をとってありますが、(リアル)と記載のある項目は現実時間です。 また、どこまで進んだ上でのレビューであるかと、作品のバージョンも記載しました(記載がないものは1.00として扱いました)。

各作品の画像は、一律タイトル画面を撮らせていただきました。
これはバージョンアップなどにより、ウディコンに提出用のSSが同梱されていないためです。 また、クリア後に変化するタイトル画面もそのまま撮らせていただきました。
ご了承の程、何卒よろしくお願いいたします。

なお、各作品の画像をクリックするとウディコン内の各作品へ、製作者様の名前をクリックすると製作者様の広報・ブログページへと遷移します。レビュー内容はウディコン終了時の物ですので、中にはバージョンアップで不満点を改善されている作品も多くあります。
気になる作品・製作者様が見つかったらぜひ足を運んでみてください。



No.1【 Wraith 】

・製作者 Laineus
・プレイVer.: 1.00
・クリア時間: 3時間程度
・進展度: ゲームクリア
・武器収集率: 92%

飛び交う弾丸、染みる血痕、埃舞う爆風!
大型乗り物の破壊力、大ボスの迫力と恐怖感!

大画面ディスプレイにて、フルスクリーンモードでの圧倒的な迫力、思わず生唾を飲んでしまうような臨場感に圧倒されっ放しでした。各種乗り物に乗って無双する所は爽快感が有り、まさか戦車まで登場・乗車できるとは予想外にも程がありました。

キャラクターの挙動も多彩に用意されています。
方向を変える時にクルッと回るようにして転換される動作や、壁に面した時に自動的に壁を背にするアクションなど細かな作りもお見事です。Readme も非常に小奇麗に纏めてあって好感が持てます。

全体的にMAPは広いです。
広いというよりも、縮尺がより現実的のため、市街戦がとてもリアルに表現されています。
歩いて移動すると目的地まで少し遠く感じますが、乗車しての移動やユニットまみれの市街戦を表現するとなると、このくらいの広さは必要かもしれません。

アクションは、常にヒットウェイを意識しないと進行は難しいでしょう。
また全体的にゲーム難易度が高く、マウスの中ホイールで武器を変更できる事が解らないと苦戦してしまう箇所もあるかも知れません(私はありました)。
ストーリーモードの他にも様々なモードが付属していて、武器は各モード共通で利用できます。
そのため、本編で効果的な武器が見つからない場合は、他のモードで武器を稼ぐことが可能です。

ゲームの処理的な内容として、銃弾をピクチャ移動ではなく三角形の画像を表示する事で表現しているのが新しいなと思いました。処理負荷を抑え、同時に画面も見やすくなっていると思います。
派手を効果的に演出するために、細やかな処理工夫が随所に詰まった作品だと思いました。

唯一の弱点を上げるとすると、スペックの低いマシンでは面白さを満喫できない可能性がある点でしょうか。(それでも描画演出を抑えるためのコンフィグが用意されているのは、流石です)


No.2【 名無き旅路 】

・製作者 ryu_asu
・プレイVer.: 1.02
・クリア時間: 3時間+1時間30分程度
・進展度: 全ステージ走破
・最終装備: 「俺のモヒカン」「永久のパンツ」「なめこパンツ」

押し付けがましい要素が一切なく、自分の気が済むまで淡々と黙々とプレイできるゲームです。

このようなゲームを長い間プレイするためには、最適の操作性が求められると思います。
ボタン一つで欲しい情報にアクセスできる軽快なシステムは、ストレスを極限まで排除してくれて、とても快適でした。 各種エフェクトも効果的で気持ち良く、時々現れるカオスなアイテム達に愛着を持たずにはいられませんでした!

バトルも基本的には三すくみのじゃんけんバトルなので、運要素高いです。
しかし、確実に相手の行動がわかる特殊能力が5回使用できます。
冒険途中で死亡するとセーブ時点での能力・装備は持ち越せますが、進展度は0からやり直しです。
ステージクリアのために、現在の走破度とボス戦での余力を考えながら進みます。
5回の特殊能力を冒険中のどのタイミングで利用するかの駆け引きが求められ、ちゃんとゲームになっていると感じました。

アイテム合成で無限に成長でき、回数をこなせば必ずクリアできる構成も良かったと思います。


No.3【 しんせーなる世界にちょうせんっ! その3 】

・製作者: シンセカ 様
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 90分程度(リアル)
・進展度: 時間切れEND

依頼を達成して話を進めるADVです。

キャラの立ち絵は自作ながらもしっかりと描かれ、背景のストーリーも面白そうです。
しかし、話の展開がゲーム内容とあまり噛み合っていない気がしました。
どれだけ進展しても、同じ作業を延々と繰り替えすだけなので大変苦痛に感じます。
たとえば選択時に、プレイヤーの苦痛が緩和される何かしらの効果などがあれば、同じ内容でもまた違う印象だったと思います。

またゲームに必要な数値(信頼度)も見えないので、あとどれくらいで話が進展するかが不明です。
せめて「あと○○ポイント」と表示があればひと段落の目安がわかると思います。
また「テンション」って、パラメーターにどう影響するのでしょうか。

そんな事を感じながら、頑張って進めていたら突然の「時間切れEND」。
途中からやり直そうにもセーブデータが一つしかないので、最初からやり直すほかありません。
時間切れのルール(仕様)があるのであれば、事前にしっかりと説明する事、残りの時間表示は必須ではないかと思います。

プレイヤーに「ゲーム」してもらうために、最低限の説明と画面表示について、もう少し工夫が必要かなぁと感じた作品です。
(蛇足:単体での発表では意味がないでしょうが、おまけゲームの方が演出も生きていて面白かったと感じました)


No.4【 百万迷宮 】

・製作者: flamme
・プレイVer.: 1.02
・クリア時間: 20時間程度
・進展度: ゲームクリア
・難易度: 難しい(ノーヒント攻略)
・クリアレベル 47

洞窟に潜り、主人公たちの出生の秘密を解き明かしながら進むRPGです。

まず、TRPGのエッセンスを詰め込んだと思われるゲーム内容は個人的に好きでした。
その為か、ゲームオーバーやスキル内容、一部のイベント等に某ツクール作品の影響が見て取れたのが個人的に少し気がかりでした。

ダンジョンの1フロアの長さが適切で、殆どの階に一つ以上ギミックが仕掛けられているのが良かったです。
単体でも解除できるギミックや、特定の仲間を連れていないとヒントがもらえないなど、バラエティに富んでしました。 また、ほかの作品である「ダンジョンズ オブ アドヴェンチャラーズ!」と一部世界観をリンクさせている箇所もあり、これは面白いコラボレーションでした。

戦闘バランスも若干難し目なものの、適度と思える範囲の難易度で、難しいにしても理不尽さを感じさせることがありませんでした。要所要所で激戦必死のボスも用意されていて、展開の盛り上げ方や調整力が見事だと思います。エネルギーパックの存在がありがたく、とても快適に冒険できました。
どうせなら松明やライトも、ダンジョン進行時に自動的に灯火するスイッチがあれば尚よかったです。

最初に述べた点以外は特にこれといった不満は無かったですが、パーティにしないと他メンバーのスキル構成が解らなく、攻略に手間取ってしまう可能性があるかなと思いました。
一通りのキャライベントを用意して、あまり好まないキャラにも同行させるきっかけを作って
スキル構成を把握させるなどの配慮があれば、よりベターだったと思います。

ところで、クリア時間が膨大な時間数になっています。
これは初見で「難しい」「ノーヒントクリア」をどうしてもしたい私のこだわりが生んでしまった時間です。普通でプレイすれば恐らく半分~2/3以上は時間短縮できると思うので、躊躇せずにプレイしてみてください。


No.5【 TWINGATE 】

・製作者: ふぇ
・プレイVer.: 1.10
・プレイ時間: 2時間程度
・進展度: 15日 - 3F(仲間を探して)

幾度もチャレンジしてみましたが、ウディコン期限内に要領を把握できず進展が難しかった作品です。
また1チーム最大10人のキャラメイクや、作品特有の情報把握など、私にとっては負担が強いゲームでした。
操作もプレイしていて戸惑ったり間違えたりする事が多く、直感的にスイスイ操作できなかった点も気になりました。

まだまだ序盤でしょうが、現状として気になった点は下記のとおりです。

  ・チーム人数の多さやキャラロストの発生割合に対し、キャラメイクの内容が深い
  ・独自情報が多い割に、いつでも参照できるチュートリアルやヘルプが少ない
  ・操作の把握が難しく、指先の操作がおぼつかずに操作ミスを誘発してしまう
  ・外部からアイテムの内容が推測しにくく、アイテム使用の意欲が沸かない

キャラメイクの深さは徹底しています。
選択できる外見も相当な量が用意されていますし、呼び名やセリフ傾向も選択可能です。
状況によって性格に即したセリフ出るのがが面白いですし、同じセリフでも呼び名が違えば違う印象で楽しむことができます。
選んだ属性によっては文字が見にくくなるものの、属性に即した色でリードされるのはわかり易いです。
ポイントを割り振っての能力値決定や、タイプによる戦闘内容の重視の仕方など、それ単体では非常に満足しました。

しかしやはり要領を把握しきれていないのか、ロスト回数が多かったため折角のキャラメイクをおざなりに進めてしまいがちでした。
結果、個々のキャラクターの感情移入が薄くなったと思います。

また、フィールドチェンジやパネルブレイクといった独自要素はとても面白そうに感じます。
それが何のために存在しているのか、どう活用すれば有効的な使い方なのか。
現時点では、要領を把握することができませんでした。
基本的な説明を後で振り返ろうにも、どこを参照すれば情報にありつけるのか解らずじまいでした。

ダンジョンの画像はとても精巧で、驚くほど雰囲気よくできてます。
キャラや効果のドットも丹念に制作されていますし、難しいであろう処理内容も水準以上でこなされていると思います。 独自要素で勝負しようという心意気が十分に溢れているので、要領を覚えてはまり出すととんでもないことになるでしょう。

やっていれば少しづつでも要領をつかめるだろうと思いますので、気長にプレイしようと思います。


No.6【 灰かぶりの夜 】

・製作者: りくがめ
・プレイVer.: 1.00
・クリア時間: 30分程度(リアル)
・進展度: BAD END
・チートモード: ON

オープニングからゲラゲラ笑っちゃいました!
だって、魔法使いがとてもいい味出してるんですもの!
シンデレラの豹変ぶりも面白くて、大変楽しい導入でした。

敵にそっと近づいて殴り倒す(無理に殴り倒さなくてもいい)アクションゲームです。
敵の視覚・知覚範囲が見えないのでイージーでも結構な難易度を感じます。プレイヤー視点で完全にy軸方向で隠れていても、距離によってはx軸方向から入ってくる敵に見つかってしまいます。

一歩ずつルートをとタイミング確認して進んでいくゲームということは良くわかるのですが、上記がどうも非直感的でストレスを感じてしまいました。せめて視覚範囲だけでも作ってくれると感覚的にも解りやすく絵的にも面白いんじゃないかなぁと感じました。

さて、このゲームにはチートモード(敵に見つからない)が用意されています。
思うように進まない私は業を煮やし、ついにチートモードをONにしました。
パッドを連射にして、さんざん苦しめられた鬱憤をバールに込めて突き進むと、
これがたまらなく 気 持 ち い い !
どうやらシンデレラのみならず、プレイヤーまでもが豹変してしまったようです。

攻撃を加え続けると、血が流れる仕様で細部もぬかりがありません。
さらに殴り続けていると、純白のドレスもいつしか真っ赤に返り血で染まり始め……。

「どうだまいったか!」と勇んでクリアしてみると、そして待ち受けているBAD END。
どうやら製作者様の手のひらで、見事に転がされてしまったようです。
その流れが非常にスマートなので、非常に気持ちの良い後味でした。

クリアしてみるとゲーム部も短い事が解ったので、あと少し頑張れば普通にクリアできそうです。
話とゲームの尺がバランスよく採れた、良いゲームだと思います。


No.7【 輪廻転生 Rein Carnation 】

・製作者: memeso
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 1時間程度

基本システムを用いたRPGです。

リィンのシナリオをプレイしてみましたが、テンション高い話運びが印象的でした。
またマップの制作も特徴的で、既存のMAPから少しでも差別化を図ろうとしている事が感じます。
画面は見やすくて素材の選定もよく、グラフィック面での調整に破綻がありません。

しかし話の繋がりがまとまってない部分が多い様に感じ、いきなり話が進んでしまうと思いました。
ストーリー自体も理解が追いつけない箇所が多く、どこに向かって行けば良いのか良くわからない所もありました。また、理解が追いついていないのでキャラクターの思考や中身が伝わりづらく、キャラクターに感情移入しにくかったです。

グラフィックの質が高く、キャラグラ自体は個性を持ちながら魅力的に制作されているのに、非常に勿体無いなぁと感じた作品です。


No.8【 ヒトガタノカタチ1.5 】

・製作者: ベルビィ
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 2時間程度
・進展度: 最終面到達

会話パートが付いているSTGです。

シューティング部に残機表示やパワーアップ要素の充実が見られ、ウディフェスに出品した前作に比べ格段の進歩が見て取れました。あくまで個人的にではありますが、諦めずに製作を続けられた製作者様の努力と姿勢を評価したいと思います。

ゲーム内容は会話パートとシューティング部に分かれています。
会話パートはキャラのやり取りがテンポ良く、面白かったです。
特に主人公のアイズちゃんがかわいらしく、感情移入もできました。
他のキャラも個性が強く、話が若干わかりにくいかなという箇所はあるものの全体的に楽しめました。

シューティング部は、敵の攻撃パターンも豊富ですし効果音や迫力なども感じる事ができました。
もちろん、これでBest とはいえないと思いますが、ゲームとして最低限のラインには到達できていると思います。今後も製作と調整を重ねていってもらいたい作品です。

1点残念だったのは、下記の流れが一切スキップできない事でした。

  ゲームオーバー → タイトル → 会話パート → シューティング

会話の早送りは実装していますが、何回もゲームオーバーを食らうと会話パートを通るだけで時間のロスを感じてしまいます。プレイヤーは、可能な限り早くゲーム部での失敗を克服したいと願う心理があると感じますので、リトライ項目でも作成してシューティング部からすぐにスタートできるようにでもすると、テンポが良くなると思います。


No.9【 Princess Saviour 】

・製作者: あなす
・プレイVer.: 1.02
・プレイ時間: 2時間程度
・進展度: ChapterⅠ終了

恐らくキャラ物RPGの着地点として、最高峰級だと思います。

立ち絵はメリハリの効いたアニメタッチの塗りで、明確なキャラ表現ができています。
訴求力のあるストーリーが、システムの難しさ・ゲーム難易度をクリアする意欲に変えていると思います。
セリフや文章はしっかりとルビスペースが用意され、上段の文章に被るということがありません。
キャラの台詞や文章にクセや堅さを感じましたが、それは作品の味付けに繋がっていると思います。

システム面も様々な要素が盛り込まれています。
戦闘中はもちろん、エンカウントやフィールド中のアクションにまで、ゲーム性や探索性を感じることができました。 正直な所、前回出品分の体験版ではこのシステムに理解が追いつかなくて、コンテスト終了後のクリアになっていました。 しかし、体験版を一度通しているので今回システムの理解はほぼ十分な状態でプレイできました。

何が言いたいのかというと、体験版や続編で前回のシステムや世界観を一度通過させるのは、非常に重要かもしれないポイントだという事です。それが独自性のある内容なら尚更に。
そしてその現実は、創作をし続けない事には到達できません。
これだけのボリュームのものを前回の体験版から今回完成したという事実に、内容とは別に高い評価と拍手を送りたいと思います。
現状まだゲーム途中ですが、ウディコン後もじっくりと作品に向き合えるゲームだと思います。

現状気になった箇所を一つだけ。
上記でも触れたように、文章にしっかりとルビスペースを設けられた設計は高評価です。
しかし、漢字全てにルビが振られているので逆に著しい可読性の低さを感じたのも事実です。
難しい漢字や専門用語等に絞って振っていただけると、読みやすさと理解がより高まったかと思います。
(とはいえ漢字全てにルビを振るのは逆に大変なので、ひょっとしたら確信犯かもしれません)


No.10【 地底Aの財宝 】

・製作者: Rexed
・プレイVer.: 1.00
・クリア時間: 4時間30分程度
・進展度: 大迷宮クリア

ストイックなダンジョンハックですね!

操作欲求に素直に答えてくれる軽快なシステムが気持ちいいですし、ピクセル移動でのシンボルエンカウントなので敵をぎりぎりかわしながら進める所も好印象でした。
更に、トコトコ響く足音が軽快性をより増長させています。

ところでこの作者さんは、ひょっとしてSTGが好きな方でしょうか。
前述のキャラのピクセル移動もそうですが、連続HITゲージの導入などSTGの要素が垣間見れます。
戦闘も敵がリアルタイムに陣形変化させて見ていて飽きませんでしたし、随分STG的に感じました。
ここまできたらいっそ、敵キャラに極近でEXPボーナスが微量入っても面白いかもしれません。
また現状は無制限で物が持てますが、重量要素で歩行に制限をつけてもピクセル移動が生きてアイテムの取捨選択が出るかなと感じました。

ダンジョンハック(のみ)をクローズアップしている徹底さも好感が持てました。
マニュアルや、途中経過でストーリー性を感じる部分は一切ありません。
途中のボスも普通のRPGならよくありそうな長い全口上がありません(一言二言)
魔王を倒してお姫様が(やっと)出てくるのですが、その後の経過もあっさりで笑ってしまいました。
大迷宮のあとの地底クリア後に何かあるかもしれませんが、この潔さは好きです。

気になった点を一つだけ。

 ・アイテムから、使用/装備者を選ぶ方式が感覚的に戸惑ってしまう

慣れれば問題ないんですが、誰に使うかと一覧が出たときに、誰に使ったらいいか解らなくなっちゃうんですよね。 また装備時には、最初に全てのアイテムを選ぶところから始まるので、どれが装備していないアイテムかわかり辛かったです。
このシステムで行くなら、対象者にグラフィック表示が欲しい事、アイテム欄に装備マークが予め欲しかったと思いました。


No.11【 アストロラーベ 】

・製作者: つかみん
・プレイVer.: 1.07
・クリア時間: 2時間30分程度
・進展度: ゲームクリア + ペテルギウス撃破

ゆるい雰囲気たっぷりのRPGです

グラフィックからほのぼのとした雰囲気が伝わってきました。
・・・と思ったら、メタ発言や少し過激(?)な発言もあったりして、なかなか一筋縄では行かない作品だと思いました。

ゲーム内容は、適切な装備とレベルを踏まえていればさほど詰まることもありません。
ただしPT人数が少ない(二人)なので、後半のボス戦のリカバリに要領が必要となるかもしれません。
ダンジョンが意味もなく広かったりするので、もう少しまとめるとより遊びやすくなると思いました。

タイトルネームやボスの名前など、星々をモチーフにしたアイデアが印象に残った作品です。


No.12【 Wish Spring 】

・製作者: 炉辺いろり
・プレイVer.: 1.06
・クリア時間: 1時間程度
・進展度: ゲームクリア

ある雪村を舞台にした、基本システムRPGです。

モノローグの印象や、辺境の地を舞台とする事でプレイヤーに余計な情報を与えさせないなど、導入・背景設定が効果的でした。また、メッセージウインドウ左上に、話しているキャラのチップが表示されているのも良い方法でした。顔グラを用意できなくても、誰が話しているのか把握しやすかったです。

後半ストーリーの尺の割に登場人物が多かった気がしますので、登場人物を絞ると随分と話を把握しやすくなると思います。戦闘難易度はやや簡単めで、アイテムを一度も使用しなくてもクリアできたので、適度に使用できる難かしさでも良かったです。またダンジョンの1回層が広くて長め、その割に低密度なので少し漫然とした印象を持ちました。

もさもさと降りしきる雪やパチパチと燃え盛る暖炉など、演出は辺境の雪村をよく表現できていました。


No.13【 Soul Steal~Razlit Saga2 】

・製作者: Livryl
・プレイVer.: 1.02
・プレイ時間: 1時間程度
・進展度: 3章途中

アクションRPGとしての出来は確立されているのに、爽快感や武器によるダメージ表示が省かれているのが勿体無いなぁと感じました。武器の変化や成長によってダメージ値に変化が出て、それまでの敵を無双できるのはRPGの快楽性の1つだと思います。

また敵のライフゲージが無いので、どれくらい切ったら倒れるかということが視覚的に分かり辛いと感じました。 結果「とりあえず突っ込んでみよう」になり、レベル差のある敵に蹂躙された回数が多かったです。

「とりあえず突っ込んでみよう」はゲームを漫然とさせてしまう要素のひとつだと思います。
現在の攻撃力+敵ライフゲージの減り具合やステージの敵数によって、プレイヤーは戦略や立ち回りを考えますので、そこまで踏み込んできてほしい作品でした。

立ち絵はキャラクターを上手く表現していますし、服のデザインなど細部も手を抜かずに制作されていると思います。 リングコマンドもクルクル気持ちよく制作されていますし、拠点やダンジョン、森の様相など雰囲気よくできています。
ゲーム部周りを少し改良するだけで、随分違ったものになると感じたゲームです。


No.14【 病原体 】

・製作者: YADO
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 1時間程度(リアル)
・進展度: 1-11、13面クリア

おお、これは新しくてユニークなゲームですね!
ルール構築も含め、現実にある内容を上手くゲームに落とし込めていると思います。
ゲームに必要な情報把握もそう多くないので、純粋に戦略構築を楽しむことができました。

ゲームジャンルはRTSで防衛戦のため、攻め入るような派手さはないのですが、時間内で陣営をぎりぎり守った時など変な汁が出まくりでした。 マップもよく考えられていてバラエティー豊かですし、曲線を使った画面構成や画像制作も纏まっています。

欠点を挙げるとすれば

 ・ユニット移動が狙った目的地に移動させにくい
 ・事前説明の情報が多い

私は極力ゲーム内の情報を把握した上で遊びたいタイプなので、ゲームを始めるまで時間がかかりました。
つまり、ルールを読んでは終了し、読んでは終了し。
たまにプレイさせて挙動を確認するけど、要領がつかめてないのでゲームはしない。

いざ始めれば最低限必要な情報は本当に少ないので、チュートリアルステージを用意してやりながら覚えさせるか、 最低限のルールと攻略のための詳細情報に分けてルール展開すると、とっつきやすさがより出たかなぁと感じました。


No.15【 赤瞳 】

・製作者: すたじお Oma, Huone 様
・プレイVer.: ★型 / 〇式 / 3番
・クリア時間: 2時間程度(リアル)
・進展度: ゲームクリア(ノーヒント)

もの悲しい物語でした……(しんみり)。

画面を覆うミスト(霧)やダンジョンのマップチップなど独自性の高いグラフィック、
意味深で抽象的なモノローグが見事にミステリアスな雰囲気を醸し出しています。
ボス戦前のバトル演出やボスの豊かなアクション、ダメージを追うごとに変化するキャラグラなど、細かい作り込みも好感が持てました。
エフェクトや効果の選定も良く、色々なサイトを見定めして吟味した傾向が見て取れます。

ゲームの構成は、パズルパートとボスパートに分かれています。
パズルの難易度はさほど高くありません。
特に詰まることもなく、手頃な操作感で挑むことが可能です。
また、詰まったとしてもヒント集が同梱されているので、誰でもチャレンジできると思います。

各階にいるボスはそれぞれ独自の弱点を持っています。
その弱点をつかないと勝てないので、色々と戦術を試行錯誤する楽しみがありました。
スキルや魔法は最初は内容が解りにくいものの、数にして2キャラクター6個づつ。
全ての面でこの個数で完結しているので、あれこれやってるうちに覚える範囲です。

また、Readmeやヒント集、バージョン表記なども独自の形式で纏めてあり、こちらも好印象でした。
特にヒント集に関しては、必要でない情報を隠すような配慮が用意されています。
作品の内容も含め、きちんと「創作」に工夫を重ねていける方なんだなぁと、感心しました。

反面、下記の点で惜しいなぁという印象を受けました。

  ・ラスボス以外のステージ構成が全く一緒なので、画面の変化による楽しみが薄い
  ・その面数が多いので、中盤が少し漫然としてしまう

少しの情報や手がかりを元に、ああでもないこうでもないと方法を考えるのが好きな方にお薦めです。


No.16【 闇遊び 】

・製作者: 異端者
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 1時間程度
・進展度: 4F到達

なんだか暗い感じがどっぷり迫る、基本システムのRPGです。

序盤で早々に詰まってしまいやり直しプレイを決めましたが、暗く重厚な雰囲気が重くのしかかってきて非常に良い雰囲気です。
リドルの傾向や戦闘難易度など、難し目の難易度がこの作品によくマッチしていると思いました。
ダンジョンに潜るたび、この先には何が待ち受けているんだろうと興味をそそられます。

冒険途中ですが、話の顛末がとても気になる作品です。


No.17【 ランゲーム(公式) 】

・製作者: カー・キー
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 15分程度
・進展度: 2画面目まで

うわーん、全然逃げられないや!(涙)

鬼の動作やルーチンが、今ひとつ考慮されていないだろうなという印象をぬぐいきれませんでした。
セーブポイントがあるかどうか不明ですが、つかまって最初からやり直しになるのも辛かったです。

かといって到達画面からやり直しさせると多分今度はゲーム性がおざなりになってしまうと思いますので、
そのバランスを取る工夫やプレイヤーのモチベーションアップのアイデアがもう一つ欲しいなぁ、と感じたゲームです。


No.18【 黄泉返し 】

・製作者: ふじま・いっぺん
・プレイVer.: 1.1
・クリア時間: 1時間程度
・進展度: ゲームクリア

不気味な日本家屋で行方不明になった彼女を救出する、謎解きホラーゲームです

素材の選定が効果的で、和風の雰囲気がよく出ていると思います。
雰囲気が良いので謎解きにもじっくりと向き合いたいのですが、鬼の出現方法が突然すぎると思います。
せっかく謎解きに向かった神経をほかの要素で阻害されるのは、非常にもったいないなぁと感じました。

鬼の出現ポイントが主人公地点から非常に近い事も有り、画面が切り替わったとき手を休めると
直ぐに死んでしまうのも気になりました。
出現前にはカウントダウン表示を儲ける等、ある程度プレイヤーに解らせる工夫が欲しいと感じました。
また、話を進める分には問題がなかったMAPも、逃走モードの時は難易度が高く感じます。
画面が切り替わってすぐ小道具に引っかかって、そのままGAME OVERになったケースが多々ありました。

ストーリーや登場人物などは、短いながらも豊かで面白く感じることが出来ただけに、
ゲーム部の配慮に関して惜しい作品です。


No.19【 魔王の降臨 】

・製作者: mogmog
・プレイVer.: 1.00
・プレイ時間: 30分程度
・進展度: 2面攻略途中

パズル要素の強いアクションゲームです。
この手のゲームは好きな方なので、喜び勇んで早速プレイ。

……うーむ、ひょっとして解がひとつしかないのかしら?
複数のルートを選択できるような作りになっていながら、個々のルートに対する解を設けていないのは、問題を感じました。

1回でも敵に当たる事を許されないケースが多いため、難易度も高いです。
その状態でハマり続けるので、場合によっては即死したほうが親切さを感じます。

また、穴に落ちたりするとエリアの最初に戻されるのはいいんですけど、キャラの状態が継続され続けるのも考えものです。どんな状態でもそれでクリアできる面構成なら素晴らしいの一言ですが、詰んだ状態で最初からやり直されても時間の無駄を感じます。その状態がプレイヤーから見て明らかに詰みと判断できるならリスタートしますが、恐らく多くの場合そこまで判断できないでしょう。
1ミスもらってエリアの最初からのリスタート、キャラと面の状態はクリアされるって仕様が一番無難なんじゃないでしょうか。

とはいえ個人的に好きなジャンルですし、アクションの挙動は十分に及第点なので、改訂版に期待をしたいところです。


No.20【 ドキッ! 女だらけの雪山殺人事件 】

・製作者: 鳥籠
・プレイVer.: 1.00
・クリア時間: 2時間30分程度
・進展度: ゲームクリア

出ました!
雪山の山荘! フーダニット(犯人当て)! 本格推理!
私は厳格な本格マニアではありませんが、ヌルい推理好きとしてこの作品の登場が非常に嬉しいです。

まず下記の点について、評価できると思います。

 ・雰囲気をライトにした点
 ・ノベルス形式ではなくRPG形式にした点

特にRPG形式にする事で情報の再確認に手間がかかる等のデメリットも生じますが、
ジャンルの特有の敷居を下げ、沢山のプレイヤーを獲得するという点で、効果的だったと思います。

トリックの規模や内容、面白さはプレイして確かめていただくことにして、ストーリー的にはあまり破綻もありません。 理解した上で最初からやり直してみると、その痕跡を感じることができます。 途中で感覚的に首を傾げる箇所も幾つかかありましたし、言葉のニュアンス等で若干気になる点もありますが、 内容や論理に関しては十分にフェアな範囲であると思います。

途中に入る様々なギャグや言葉遊び、駄洒落が面白く、言葉巧みでした。
犯人当ての名前入力も、色々な名前にリアクションが用意されていて、入力が楽しいです。
上記は、製作者様の次回作品に対する期待と意欲の、大きな架け橋になったと感じます。

小さな箇所ですが、気になった点は下記のとおりです

 ・Sキーで会話スキップしても、選択肢で停止しない
 ・真犯人の名前を入力しても、ほぼ入力を間違えた内容で進むので、一見気がつきにくい
  (回答編に至る前にF12でやり直してしまう可能性があるので、プレイ時はゲームオーバーからタイトルに戻る事を確認したほうが良い)

ちょっと推理モノでもやってみようかな、と軽い気持ちで始められる一作だと思います。


No.21【 AYND -Another Chapter- 】

・製作者: 天月ちひろ
・プレイVer.: 1.01
・クリア時間: 2時間程度
・進展度: ゲームクリア(表ボス制覇)
・点数: 53点

予め決められた日数のなかで強くなり、最終試練に合格することが目的のADVです。

キャラクター達が可愛らしく制作されていますね!
ポーズもキャラによって変更されているので情景がすぐに浮かんできますし、汗のアニメも効果的でした。
320×240サイズで原寸表示されているのか、キャラの画像がぼやけていなければ更に良かったと思います。

少し百合展開があるものの、会話のレスポンスやリズムも良く、沢山のキャラ達の会話が楽しめました。
難易度も特に詰まることなく、自分のイメージ通りにキャラを育てる事ができます。
表面ボスキャラ手前で、ステータス増幅の余地が随分あるのは最後の調整ができてうれしいです。
反面、限定ターン数の中で効率よく成長できるか、という流れが飛んでしまったかなぁ、と感じました。

エンディングの評価画面も好印象でしたし、十分にリトライする魅力もあるゲームです。
過不足を調整し内容をもう少し精査して「限られたターンの中で効率よく成長できるか」を重点においた構成を図ってみても面白いかと思います。


No.22【 スペース・シューティング 】

・製作者: すーさん’ず
・プレイVer.: 1.00
・クリア時間: 20分程度
・進展度: Normal クリア
・最高得点: 33922 Point

チープでレトロ感のあるSTGです。

ゲーム容量も軽いので、ちょっとした息抜きに最適です。
反面、ゲーム展開に爽快感やスリリングな要素を見出せず、ゲームクリアまで少し漫然とした印象を受けました。 スピードアップや連射ウエポン等のパワーアップ要素がないと、展開に変化を感じる事ができないので単調な印象になってしまうと思います。
その上で、敵の攻撃パターンやステージ展開にアイデアを捻ると、さらに良くなると思いました。

突然現れる中盤のクイズパートには、驚きと笑いをこらえる事ができませんでした。 次ステージの移行分岐にクイズを使って、間違えると難しい面に飛ばされるなど、発展性もあるアイデアだと思います。


No.23【 ぼくは勇者じゃないよ 】

・製作者: えんとつ
・プレイVer.: 1.07
・クリア時間: 6時間程度
・進展度: ゲームクリア
・グリアレベル: 40

レトロタッチで、温もりがグイグイと伝わるRPGです!
また、無駄のないデザインはとてもプレイしやすかったです。
物語もよく引き込まれましたし、キャラクターにも感情移入できました。
一見控えめなゲームタイトルも、よく内容とマッチしていたと思います。

このゲームの特徴は、やはりドット絵とテキストでしょう。
ドット絵は、特にボス系の描き込みが伝わるものがあり、そのシーンに白熱を感じることができました。
それが、ザコ敵とのいい差別化を図っていたように感じます。
エンディングでの画像やタイトルイラストも、とても丁寧で好感が持てました。

テキストはそのドット絵を十分にサポートしてくれて、世界観の伝わりを更に加速させてくれています。
平仮名だけのドットフォントが、なぜにこんなに世界を饒舌に語れるのか、不思議でなりません。
エンディングの何やら意味深な演出や、レベルを引き継いだまま最初からプレイできるので、周回プレイも楽しめそうです。

気になった箇所はというと、本当に重箱の隅をつつくような点だけです。

 ・ダンジョンで階を上下すると主人公位置が階段から1マス隣に位置されるため、
  キーをおしっ放しにしていると上り下りを繰り返してしまう箇所がある

 ・一部の効果音があまり効果的に響いていない

少し時間をおいて、周回プレイで伏線や発見できなかったイベント、取れなかった宝等を漁ってこようと思います。


No.24【 特殊諜報部隊HumanAlive2 】

・製作者: Intention 様
・プレイVer.: 1.04
・プレイ時間: 30分程度

事前にゲームやゲームオーバー内容など、ゲーム内で説明があったのはフェアで好感が持てました。
しかしいざ始めてみると、下記の点で不安になりました。

 ・アイテム消費で保存できる説明なのに、「デバッグ・セーブ」で何回も保存ができてしまう
 ・そのアイテム名から、デバッグモードが開放されているんじゃないかと不安になる
 ・Human Alive 社の左側の畑の看板を調べると、突然保存ができてしまう(1回だけ)
 ・学校で女の子に「家に来ない?」と誘われるイベントにて、女の子の家に行き外に出ると、
  もう家の中に入れなくなる
 ・同じく街を出ると、街に入れなくなる
 ・その後、学校に戻ってみるとクラスメイトが全員そろっているが喋れない
 ・その状況後、会社に戻っても寝ることができずに日にちが進まない

上記の状態になったあと、しばらく調べてみましたがゲームの進展がなかった為、その時点で進行を終えてしまったのが残念です。


No.25 【 ウルファールの密室からの脱出 】

・製作者: せいじ
・プレイVer.: 8/2 更新版
・プレイ時間 20分程度(リアル)
・進展度: 3-5(最終ステージ)到達

仕掛けを解いてウルファールさんを脱出させるというコンセプトは好きです。
ヒントもありますし、マップも適切な広さで無駄に歩き回る事がない点も高評価でした。
最終ステージは解けませんでしたが、それ以外は謎の難易度は総じて低めでした(ノーヒント攻略)。
仕掛けの種類と難易度を(理不尽さが出ない程度に)上げてみても良いと思います。

その他下記の点での改善が欲しいと思いました。

 ・データの保存ができない点
 ・次ワールドへ向かう方法が分かり辛い点
 ・トラップに捕まったあとワールド1に戻されてしまう点

ゲーム内容も破綻していないので、しっかりと実力をつければどんどん形になっていく方だと思います。



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